気であった。
「おお生きていたか」
 外から、アメリカ訛《なま》りの英語がきこえた。


   武勇伝


 地底戦車中から、はいだして、今、三人は、氷上に整列している。
 前には、天幕《テント》が、四つ五つ張られてある。あたりは、一面のひろびろとした氷原であった。
「一番から、官姓名を名のれ」
 三人の前には、一団の防寒服を身にまとった軍人が、立ち並んで、三人をじっと睨《にら》んでいる。その中の一人が、このように号令をかけた。
「陸軍戦車軍曹ジョン・パイ」
「陸軍戦車一等兵アール・ピート」
「……」
 一同の視線が、三人目の沖島のうえに、集中された。
「おい、なぜ、黙っとる。早く官姓名を名のらんか」
「……」
「おい、お前は聞えないのか」
「こいつは」
 と、パイ軍曹が、いおうとするのを、沖島は、皆までいわせず、
「地底戦車長、黄いろい幽霊」
「なに、もう一度、いってみろ」
「この地底戦車長の黄いろい幽霊だ」
「黄いろい幽霊! ふざけるな」
 すると、パイ軍曹が、さっと前へ出て来て、沖島をするどく指し、
「こいつは、中国人――いや、日本人の密偵にちがいありません。この戦車の中に、しの
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