ったぞ!」
戦車は、半廻転したのだった。
トン、トン、トン。
妙な音が、そのとき天井の方から、聞えてきた。
「あれは、何の音!」
と、ピート一等兵は、また新たな恐怖の色をうかべた。
トン、トン、トン。
ふしぎな音は、しきりに、天井の方から聞えるのであった。
ピートの失敗
「パイ軍曹どの。自分は、もう死んだ方がましです。このうえ、心臓がどきどきしては、心臓|麻痺《まひ》になってしまいます」
これは、大男のピート一等兵が、からだに似合わぬ悲鳴である。
「こら、ピート一等兵。そんな弱音をはいちゃ、幽霊指揮官どのに、笑われるじゃないか」
「でも、自分はもう、このとおり、からだ中から、脂《あぶら》がぬけちまって、もうあと、いくらももちません」
「え、からだの脂がぬけたって」
「はい。うそじゃありません。このとおり、ズボンの下から、たらたら脂が、たれてくるのです」
「そうか。本当なら、こいつは一命にかかわるぞ。どれ、見てやろう」
と、パイ軍曹は、ピート一等兵のズボンの下をまくって、しさいに見た。
「おや、こいつは、ひどく、たれている。ふん、かわいそうだな。これじゃ、も
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