なかった。
「硬いものが、おさえつけているらしい」
それでも、展望鏡は、頭だけを少し出しているようであった。軍曹は、そこで、車外に、赤外線灯をとぼした。そして、展望鏡でのぞいてみた。赤外線をあてて、展望鏡をちょっとかえると、まっくらなところでも、はっきり見えるのだった。地底戦車には、なくてはならない展望鏡だった。
「おや、これは、土の中だ」
と、パイ軍曹は、叫んだ。展望鏡の中にうつったものは、たしかに、小さい石を交《まじ》えた水成岩とも土ともつかないあつい層であった。
「えっ。土の中ですか」
「そうだ。われわれは、もうすでに、陸にぶつかっているのだ。これをどんどん進んでいくとうまくいけば、やがて、わが南極派遣隊の駐屯《ちゅうとん》しているところへ出られるかもしれないぞ」
「そうですか。そいつはいい。うまくいくと、これは、たすかりますね」
「うん、とにかく、もっと前進をしてみよう、前進!」
パイ軍曹のかおにも、生色《せいしょく》が、よみがえってきた。地底戦車は、ふたたび、轟々と音をたてて、前進をはじめた。
「針路、真南!」
キーン、ぴし、ぴし、ぴしッ。
地底戦車は、ときどき空《
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