んだ灰を見たとき、ひどく注意をひきつけられたんです。それから後はご存じのとおりで、黒い灰から犯人にまで続いている糸を手ぐるようなことになったんです。ですから八雲嬢のお手柄から出発しているんですよ。僕じゃありません」
 帆村はそういい張った。そこで検事たちも強いてそれを帆村と争おうとはせず、そのかわりそのうち土曜日の午後にでも甘いお菓子の折を一同がぶら下げて帆村探偵事務所を訪問し、名助手八雲千鳥嬢に親しく拝顔の栄を得ようということに、一同、相談がまとまった。



底本:「海野十三全集 第11巻 四次元漂流」三一書房
   1988(昭和63)年12月15日第1版第1刷発行
初出:「自警」
   1947(昭和22)年1月〜1948(昭和23)年1月(5、6、11月は欠)
※底本は、物を数える際や地名などに用いる「ヶ」(区点番号5−86)を、大振りにつくっています。
入力:tatsuki
校正:kazuishi
2005年12月3日作成
青空文庫作成ファイル:
このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力、校正、
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