ていたらしかった。
「はい。わたくしのお持ちしたものは、この皿と、この皿と……」
 と、家政婦は十四点をあげた。帆村は一々それに万年筆でしるしをつけた。
「それではね、こんどは残りの品物の中から、いつもこの部屋にあって、あなたに見覚えのある品を選ってみて下さい」
「はい。……しかしあとは全部そうなんですけれど……おや、この缶詰は存じません」
「まあ一々指していって下さい」
「はい」
 家政婦は、彼女が写真の中の品物を指している間に、傍にいる帆村がけしからず荒々しい呼吸をしているのに気がついて、いやらしいことだと思った。――写真の中には、さっき彼女がいったとおり、一ポンド入りの空き缶が一つ残った。
「この缶詰に見おぼえがないというんですね。間違いありませんね」
「旦那さまが御自分で缶詰をお買いになって、御自分でこっそりおあけになるということは、今まで一度もございませんでした。ふしぎでございますわねえ」
「いや、ありがとう。あなたにお伺いすることはそれだけでした」
 家政婦は、いそいそとこの部屋から送り出されて行った。
 検事も警部も、帆村が手に持っている写真のところへ集って来た。
「うむ
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