子窓を外から押して合わせた。きっちりとは入らなかった。どこかに閊《つか》えているらしかった。そのままにしてあなたはクラブへ引返した。そうでしょう」
「そうでしょうねえ」
亀之介は、こんどは肯定すると、勢よく煙草をつまみ上げて口へ持っていった。
空き缶詰
亀之介を退室させた後、帆村は「どうでしたか」と感想を検事たちに需《もと》めた。
「さっぱり瓦斯中毒に関する訊問は出なかったじゃないか」
長谷戸検事は不満の意を示した。
「そうでもないのですがねえ。例えば、こういう事実が分ったと思います。すなわち鶴彌氏の死ぬ前には、この窓はちゃんと閉っていたのです。それから十二時頃、亀之介の二度日の帰邸のとき窓は開放されたこと、そしてその後で閉じられたが完全閉鎖ではなかったこと――これだけは今亀之介が認めていったのです」
「それはそうだが……」
「毒瓦斯が放出されたとき、この部屋は密閉状態にあったことを証明したかったのです。密閉状態にあったが故に、毒瓦斯は室内の者を殺すに十分な働きをしたわけです。鶴彌氏が死んだばかりではなく、洗面場の下にいた鼠までが死んだのですからねえ」
帆村はようやく
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