……それからあなたは、外からその硝子窓を開いた。あなたはその方法を研究して知っていた。他愛なく開く仕掛になっていたんだ。……それからあなたは、窓につかまったまま、ピストルを撃った。弾丸は見事に鶴彌氏の後頭部に命中した。近いとはいえ、なかなか見事な射撃の腕前です。思う部位に命中させているんです[#「いるんです」は底本では「いるです」]からねえ、殊に窓につかまったまま撃ってこれなんだから大した腕前だ。……あなたは大日本射撃クラブで前後十一回に亙って優勝して居られますね。どうです、今の話には間違いないでしょう」
「既に死んでいる者を射撃した。これは死体損壊罪になる可能性はあっても、決して殺人罪ではないですね。ご苦労さまです」
「あなたは兄さんを消音装置のあるピストルで射撃したことを認められたのですね」
「認めてあげてもいいですよ、僕が撃つ前に兄が死んでいたことが立証される限りはね。兄に天誅を加えたときには、もう兄は地獄へ行ってしまった後だった」
「兄さんは天誅に値する方ですか」
「故人の罪悪をここで一々復習して死屍に鞭打つことは差控えましょう。とにかく彼の行状はよくなかった」
「あなたは、硝
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