した。
それから間もなく、海水の色がかわり、潮の流れがまるで違ってきた。
雲霞のごとき、魚群を、いくたびとなく蹴散らしながら、全速力をつづけること小一時間、
「三角暗礁が見えます」
と、オルガ姫が知らせた。
望遠鏡の向きをぐっと変えると、なるほど前方に、大きな氷柱《ひょうちゅう》を逆さにして立てたような、怪奇な姿をした三角暗礁が見えてきた。
暗礁の頂上が、磨ぎすましたように、三角の稜《りょう》をつくって、上を向いているのであった。それで、三角暗礁の名があった。
付近には、妙な渦がまいていて、船舶は、魔の海として近づかない。ただ魚だけは、絶好の游泳場として、寄ってくる。
三角暗礁は、だんだん大きく見えてきた。
暗礁の中腹に横に抜ける一つの大きな洞穴がある。これは、わが潜水艦隊が、技師たちを連れていって穴をあけたものである。この洞が、安全な着船場となっていたのである。
「洞穴《どうけつ》に、艇《ふね》をつけろ」
私は、命令をした。
オルガ姫は、速い潮流に流されそうになる艇を、巧みに操縦して、暗礁のまわりを、二、三度ぐるぐる円を描いて廻っていたが、やがて、艇は吸い込まれる
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