められている気味のわるさに、これ以上|怺《こら》えかねていたところである。
 しかし私は、こんなところで、敵に弱味を見せてはと思い、
「あははは。X大使よ、それよりも、磁力砲の偉力を思い出したがいいぞ。君の身体は、磁力砲のために大怪我をしたではないか。だから君は、今私の前に姿を見せることができないのだろう。そして、声ばかりで、私を嚇《おど》している。そんな嚇しに、誰がのるものか」
 と、いってやった。
「おかしなことをいう」
 X大使はちょっと腹を立てたような声になって、
「わしが、磁力砲のため、大怪我をしたと思っているのか。それがため、わしが姿を見せないと思っているのか。ふふん、とんでもない独《ひと》り合点《がてん》だ。わしは、ちゃんとしているのだ。今、姿を見せてやろう」
 そういったかと思うと、とつぜん、空気を破って、奇妙な高い調子の震動音が聞えてきた。そのうちに、暗黒の中に、朦朧《もうろう》と、白く光った人の形があらわれて来た。
(おやッ、出たな。まるで、大魔術を見ているようだ)
 人の形は、どんどん明瞭度《めいりょうど》を加えていった。そして、ものの三十秒も経たないうちに、その
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