再び水中にもぐらせて、クロクロ島の底に、外に向って開いている排出孔《はいしゅつこう》から、逆に入りこませることにした。もちろん、そこにも三重の鉄扉があるが、開けることは、それほどむずかしくないのであった。
私が、クロクロ島の背中で待っていると、それから十分ほどして、足許《あしもと》で、ぎいぎいと音がしはじめた。
「おお、オルガ姫が、入口の扉を開けているな」
そう思っているうちに、果して鉄扉が開いた。内には、明るい電灯の光が見える。
「ほう、とうとう、クロクロ島へ戻ってこられたわけだ。どれ、中はどんなことになっているか」
私は、久慈《くじ》たちのことを思い出した。久慈たちにクロクロ島をあずけておいたが、その後、彼からの通信は来ず、そのうえ、クロクロ島は、洋上を漂流しているなどと、非常に憂慮《ゆうりょ》すべき事態の下にあったのである。私は、島内において、どんな光景が見られるかと胸を躍らせながら、階段を下っていった。
「おお!」
私は、階段の途中で、思わず呻《うめ》いて、そこに立ち竦《すく》んだ。
見よ。島内には、久慈たちの姿はなく、その代りに、X大使が、厳然《げんぜん》と立って、
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