しては、かの磁石砲の一般的使用法のみを伝授し置きたるが、実は、かの磁石砲は、或る特別の使用法によって、更に愕くべき偉力を発揮するものなり。博士よ、クロクロ島に赴《おもむ》きて、磁石砲の操縦器を改めて調べられよ。中央に見ゆる三基のスイッチを、三基とも、停止の位置より逆に百八十度廻転せられよ。かくすることにより、磁石砲は、四次元振動|反撥砲《はんぱつほう》に変ぜらるべし。よって、その偉力《いりょく》を試みられよ。今日まで、かかる特殊の使用法あるを伝授せざりしは、わが日本要塞が未完成状態にありしを以て、それを伝授することは、機密漏洩《きみつろうえい》の虞《おそれ》あり、金星超人に乗ぜらるる心配ありしをもって、その伝授《でんじゅ》を只今まで、控えしものなり。さらば黒馬博士、クロクロ島へ帰れ。而《しこう》して、余よりの新しき命令を待て。余鬼塚元帥は重ねて博士に対し、深甚なる敬意を表す。――これで、元帥からの電文は、おしまいですわ」
と、オルガ姫は、終りを告げた。
「おお、そうか。なるほど、なるほど。では、オルガ姫、太平洋の海底に沈んだクロクロ島を探し求めて、そこへ帰ることにしよう。出発!」
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