のようなものが、むくむくとのびあがってくる。一体あれは何であろうか。
 逃げるか、それとも、もっと傍《そば》によって、仔細《しさい》に観察すべきであろうか。
 私が、俄《にわ》かに判断しかねていると、その水中塔の頭が、とつぜん、ぴかりと光った。それはうつくしい青緑色《せいりょくしょく》の閃光《せんこう》だった。
 つづいて、ぱっぱっぱっと、三点閃光があった。私は、おやと思った。
 そのうちに、こんどは真赤な光にかわった。その赤色光は、消えなかった。その代り赤色光は、いつの間にか橙《だいだい》色にかわった。
 橙色になったと思っているうちに、今度は淡紅色《たんこうしょく》に変った。――ここに於て、私は万事を察した。
「おい、オルガ姫。あれは、色彩信号《しきさいしんごう》だ。解読してくれ。ほら、例の暗号帳の第三十九頁に出ているあれ[#「あれ」に傍点]だ」
 私は、俄《にわ》かに元気づいた。
 色彩信号だ。この色彩信号というのは、さっきもちょっといったように、色彩の変化により、信号をつたえるもので、モールス符号よりも簡単で、且《か》つ速く送ることが出来る。一分間に一万字は送れる。
 だが、こ
前へ 次へ
全156ページ中138ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
海野 十三 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング