が優勢らしい。米連の艦隊は、煙幕の中に隠れているが、その半数は爆撃のため損傷をうけ、傾いている。惨状《さんじょう》は、目を蔽《おお》いたいくらいだ。その中に、旗艦ユーダ号が、なおもひらひらと司令長官旗を掲げ、陣頭に立っているのは、むしろ悲壮な感じがした。この様子では、ピース提督も、間もなくユーダ号とともに、海底に沈んでしまうことであろう。
 私は、両軍の大死闘をもっと見ていたかったが、それよりも祖国のことが心配になるので、興味あるその戦場を、ほんの十数秒の間にすりぬけてしまった。
 それから一時間ばかり経った。もうそろそろ、東京港のシグナルが聞える筈であった。が、一向に、それが聞えない。そのうちに、潜水艇が急に速度をおとしてしまった。
「どうした、オルガ姫」
「たいへんです。東京港の潜水洞があった場所まで来ましたが、肝腎《かんじん》の潜水洞が見えません」
「場所がちがっているのではないか、よく探してみろ」
「いいえ、間ちがいなく此処《ここ》なんです」


   ああ日本国消滅か――潜水艦の針路を北へ修正した


 東京港のシグナルもきこえなければ、艇をつけるべき潜水洞も見あたらない。私
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