と、ピース提督は、あくまで欧弗同盟軍に砲火を向けることを好まないと、云いはった。
宙吊《ちゅうづ》り戦艦――有りえない奇蹟
私は、X大使の代弁者をつとめながら、妙な感にうたれていた。
X大使は、平和はいけないという。米連艦隊は欧弗同盟軍に対して戦闘を開始せよというのである。なぜ平和はいけないのであろうか。
これは、私の口をもっていっているのであるから、ピース提督には、この言葉が、あたかも日本は、米連と欧弗同盟軍とを衝突させ、自分は両虎《りょうこ》相闘《あいたたか》って疲れるのを待っているようにとれるのであった。その結果は、明白だ。日本は闘わずして、世界を支配することになるのだ。そんなことを、ピース提督が承知する筈がない。
(X大使は、日本を後援するつもりらしい)
私は、一先ず、そういう結論に落着いた。なぜかはしらないが、たびたび私に力を貸したり、今また日本のために、米連と欧弗同盟との間に戦争を誘致しようと、つとめているのであった。
X大使は、しばらく黙っていたが、やがて重々しく口を開いた。
“それを、貴官の最後的回答と認めて、よろしいかね”
私は、そのとおり代
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