がみでないと思う。
そんなことを考えているとき、入口ががちゃりと鳴って扉《ドア》があいた。銃剣をもった衛兵が、扉をひらいたのだ。
(おお、司令長官ピース提督だな)
私は提督をおどかすつもりで、あえて提督の椅子から立とうともせず、その廻転椅子をぎいぎいいわせていた。
扉をしめた提督は、ふと気がついたらしく、後をふりかえった。無髯《むぜん》の提督の顔は、不審そうに歪んでいた。そして彼は、呟いた。
「はあて、なにが、ぎいぎい鳴っているのだろうか」
そういって、提督の眼は、たしかに私の方にそそがれていた。
「はあて、あそこに、廻転椅子が、ひとりでぐるぐる廻っているが、どうしたことじゃろうか。たしかに、あの椅子が、ぎいぎいと音を立てているが……」
さすがに提督であった。おどろいてはいるが、大きなこえも出さなかった。
だが、そのとき、私は、
(おや、へんだな。提督は、へんなことをいったぞ)
と、不審にぶつかった。――提督は、廻転椅子が廻っているといったが、廻転椅子は見えて、私は見えないのであろうか、そんなことがあろうと思われない。
(ひょっとすると、提督は、わざと私が見えないような風
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