声で叫んだ。
「あッ、やられた。このへんにぶら下っていたテレビジョンの籠がやられてしまった」
 そういっているとき、また、ぱぱッぱぱッと幕上の相ついで閃光が二人の目を射た。
「おいドレゴ君、分るかい。折角投げこんでおいたテレビジョンの送影機が、今|片端《かたはし》から破壊されて行くのだ」
「ええッ、何だって」
「送影機が片端から壊《こわ》されて行くんだよ。あっ、光った。見たかね、怪人集団の城塞に、小さな灯がつくと、すぐそのあとで送影機が爆発してしまうんだ。城塞から何か出しているよ、怪力線か放射線か、何かそういう強力なものを……」
「すると怪人集団が、あの籠を見つけて壊しにかかっているんだろうか」
「そうらしい」
 といっているとき、幕面がぱっと白くなって映像が消えてしまった。
「あっ、やられた」
「えっ」
「今まで像を送ってくれていた送影機がやられちまったんだ。ああ、それで分った。さっきもこんなことがあったね。あの前の送影機もやられちまったんだ」
「すると、怪人集団がどんどん送影機を壊しているというわけか」
「そうなんだ。それに違いない、早くも彼等は悟ったんだね。テレビジョンで見張られ
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