も分らず、この電波を発射した位置も分らなかった。そして今にも入るかと思った第二報はいつまで経っても音沙汰がなかった。
このような失望と困憊のあとに、突然として待望久しき第二報が、WGY局から放送されたのだった。
無線探知器の前に頑張っていた無線班の連中は大失望した。第二報がWGY局放送局より放送される前に、何処からかWGY局へ第二報の原稿を電波で送る者がある筈で、それを捕えようと待構えていたのだ。ところがそれは遂に入らないで、いきなりWGY局が放送を始めたから、彼等ががっかりしたのも無理ではない。
だが、社の首脳部たちは一向構わなかった。それは、新たに発表された第二報の内容が非常に驚愕すべき、そして重要なものであったからだ。――第二報は、次のように報じている。
“――既報の大西洋海底に蟠居する怪人集団は、従来地球上にその存在を確認されたことのない高等生物の集団だと認むべき理由が発見された。但し彼等が、地球外の宇宙より侵入せるものか、或いは以前より海底又は地中に生存していたものが今回われらの目に触れたものであるか、それはまだ判別できない。いずれにせよ、彼等の出現により、われら世界人
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