面盤《きょくめんばん》の無数の針の先からは、ちかちかと目に痛いほどの輝いた細い光りが出て、それが上下左右にふるえながら、皿の上の人造生物をつきさすように見えた。
 すると皿の上の例のぶよぶよした人造生物は、ぷうッとふくらみはじめた。みるみる球《きゅう》のようにふくれあがり、そしてそれが両がわの曲面盤のとがった針にふれたかと見えたとき、とつぜんぴかりと一大閃光《いちだいせんこう》が出て、この大広間を太陽のそばに追いやったほどの明かるさ、まぶしさに照らしつけた。
「あッ」
 博士は、思わず両手で目を蔽《おお》ったが、それはもうまにあわなかった。博士は一瞬間に目が見えなくなってしまった。そして異様《いよう》な痛みが博士の全長を包んだ。博士は、苦痛のうめき声とともに、その場にどんと倒れた。
 そのあとに、ものすごい破壊音《はかいおん》がつづいた。破壊音のするたびに、何物かの破片《はへん》が、博士のところへとんできた。その合間に、砂のようなものが、滝のように降ってきた。博士ははげしい苦痛に、やっとたえながら、それらのことをおぼえていた。
 だが、それはながくつづかなかった。
 まもなく、第二のか
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