ら、大急ぎであれを持って来ようと思って……」
じつは山形警部は、博士に急を知らせにかけるつもりだったが、そういえないものだから、このようなうそをついたのである。
「ばか、おまえは命が惜しくないのか。もうそんなことをして、ぐずぐずしたりしているひまはないわ。どんなからだにはいっていても、命あっての物だねではないか。ぶじに地上へかえったら、からだぐらいはまたもとのように作ってやるよ」
X号は警部を、なぐりつけかねないような気配《けはい》であった。
少年たちも、さすがに弱ってしまったのである。X号にてむかっても勝目はないし、といってこの中に入りこんでは、みすみす死を待つばかりなのだから……
その時、戸山少年は立ちあがって、X号のうしろの方を指さした。
「先生、それそこに、先生のからだにはいりこんだX号が……」
「なんだと……」
サルのからだにはいったX号は、谷博士がほんとうに、この場にあらわれたかと思ったのだろう。ぎょッとしたように戸口の方へふりむいた。
それが戸山少年の待ちかまえていたすきであった。少年はX号の腰へとびつくと、足をかんでX号をひっくりかえしたのである。ふいを打た
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