ら、X号に最後の宣告《せんこく》をくだしてやろう」
 博士はマイクロホンに向かって、あの宣告を行ったのである。
「さあ、出発だ」
 博士は始動装置《しどうそうち》のボタンを押した。ところが、機械の調子が少しへんなのか、航空船はなかなか飛びあがろうとはしなかった。
「おや、どうしたんだろう」
 博士もさすがにあわてていた。あちらを直し、こちらをいじって、どうやら故障の原因はのみこめたようであったが、いざ出発となるまでには、七八分の時間がかかった。
「では出発」
 博士はふたたびボタンを押した。それとともにこの三百トンのロケット航空船は、流星のように中天へ舞いあがったのだった。


   X号の行方は


 宇宙航空船は電光のように大空を横切って、まっすぐに上へあがって行く。博士の目の前のテレビジョン装置には、研究所や三角岳の建物が豆粒《まめつぶ》のように小さくうつったが、それもたちまち見えなくなって、関東平野がまるで地図のように、浮かびあがって来たのだった。
「先生、ものすごいスピードですね」
「ああ、あれが富士山ですか」
 少年たちは、今までの命がけの冒険も忘れて、大陽気に、まるで遠足
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