いまのは原子爆弾ではなさそうだぜ。まだ研究所の建物は、あのとおり、しっかりしているじゃないか」
 双眼鏡《そうがんきょう》で、おそるおそる研究所の方を見まもっていた検事が、そばの署長にささやいた。
「そういえば、なるほどそのとおりですね。どうしたんだろう」
 これがロケット砲弾の砲撃だった。署長のことばが終らぬうちに、第二弾がとんで来て、乗用車もトラックも、こっぱみじんに吹きとばされた。さいわいに、警官隊はみな車をとびおりて、穴の中や谷底《たにそこ》にかくれていたので、人間の負傷はなかったが、もうこうなっては一行も進退きわまってしまったのである。
 砲撃はますますはげしくなりはじめた。ところが、あまり狙《ねら》いが正確なので、かえって命には別条《べつじょう》がなかったのである。
 その時、研究所の屋上からは、ものすごい閃光《せんこう》とともに、緑色の流星《りゅうせい》のようなものが、まっすぐに中天高くとびあがった。
「おや、あれはなんだ」
「きっとV一号だぜ」
 その瞬間、砲撃がばたりとやんだかと思うと、大地もくずれるかと思われる大音響《だいおんきょう》とともに、目もくらむような赤・黄
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