生まれた。火でも水でも電気でも、わしを殺すわけにはいかないのだぞ」
「そのとおり。だがわしはおまえの生《う》みの親《おや》として、おまえを殺す、ただ一つの方法を知っている――」
「それは――」
「原子爆弾で、この研究所の建物といっしょに、おまえのからだをこっぱみじんに吹っとばす。おまえの生命《せいめい》をつかさどる電臓も、原子力の前には、何の力もないのだ」
「ちくしょう」
X号は鬼のように、頭髪《とうはつ》を逆立《さかだ》てさせて、火花の息を吹きだした、
「そんなことをしてしまったら、きさまらだって生命はないぞ」
「もとよりそれはかくごのまえだ。X号よ。では永遠におさらばだよ」
博士の声は、ぷつりと切れた。しかしそれと同時に、その部屋の短波受信機は、次のようなことばを捕えたのだった。
「――武装警官隊に告ぐ、武装警官隊に告ぐ。三角岳研究所はまもなく、原子爆弾によって爆発する。三角岳から急速待避《きゅうそくたいひ》せよ。爆発は、あと十分後の予定、緊急待避せよ。緊急待避せよ――
もちろんX号も、原子爆弾の威力《いりょく》は十分に知っていた。いま、地下一階から七階までの工場で製造してい
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