てて、廊下《ろうか》の方へ姿を消した。
「戸山君、これはどうしたんだろうね。見つかったら命がないと思って、ひやひやしていたら、あの機械人間は、ふしぎなほど、こちらに親切じゃないか」
 一人の少年が、戸山君の耳にささやいた。
「そうだね。じっさいふしぎだ。機械人間はぜんぶ、X号の手下だと思っていたら……きっと、機械人間もああして考える力を持つようになったものだから、X号に反対する仲間もそのうちにできて来たんだろうね」
 こうでも考える以外、まったくなんとも考えようはなかったのである。
 そのうちに、機械人間は、手に何か、火焔放射器《かえんほうしゃき》のようなものをかかえてかえって来た。
「先生、それではこの錠《じょう》を焼ききりますよ。やけどをするといけませんから、向こうのすみへ、はなれていてください」
 しゅーッと音がして、機械からは、紫色の雷弧《アーク》がとびだした。その火にあたると、がんじょうな鉄の錠も、みるみるあめのようになって、どろどろに熔《と》けおちてしまったのだった。
「さあ、これで扉はあきましたから、出ていらっしゃい」
 サルは、おどりあがって、檻からとびだした。
「あり
前へ 次へ
全194ページ中142ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
海野 十三 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング