博士だけは後の役に立てるために生かしておいて、われわれだけを殺そうとするんだ。そのために、サルのからだにはいって、われわれをだまそうとしているんだ。だから、もうけっしてサルのいうことには、ゆだんをしちゃあいけないよ」
 少年たちはごくりとつばをのみこんで、うなずいたのである。
 まもなく、サルのからだにはいったX号は、この部屋の扉をひらいて姿をあらわした。
 さてX号はどのようなことをいいだすだろうか。第一第二の操縦室ともに、操縦者を失ったこの宇宙航空船は、自動操縦機の力によって、二万五千メートルの高空を、電光のような速力で、飛びつづけているのだった。


   小型ロケット機発射


「さあ、みんなぐずぐずしてはいられないよ。X号はこの航空船に爆弾をしかけて、小型ロケット機で逃げだしたんだ。われわれもこうしていては、命がないから、一刻も早く、別の小型ロケットで、ここから脱出しよう」
 サルのからだに入りこみ、谷博士だとみせかけたX号は、声まで谷博士に似せて、このようなことをいった。
「先生、それはほんとうですか」
「ほんとうだとも、うそだと思うなら、これを見たまえ」
 X号はつかつかと壁に歩みより、13というボタンを押した。スクリーンには、またもや別な部屋の光景がうつしだされたが、その床には黒い爆弾のようなものがおかれてあって、その上の時計は、こつこつと時を刻《きざ》んでいるのだった。
「時限爆弾だよ。あと五分で爆発する」
「さあ、それはたいへんだ。先生、助けてください。みんな、早く逃げだそうじゃないか」
 山形警部は、ほんとうにおどろいたようにあわてて見せたのである。
「さあ、それじゃあ、みんなこちらへ」
 X号は先に立って、部屋を出ると、階段をどたどたと一階までおりて来た。その最後部《さいこうぶ》の部屋へはいると、X号はひざまずいて、まるい鉄のふたをひらいた。中には小さな部屋があって、垂直《すいちょく》な鉄ばしごがさがっている。
「さあ、みんなこの中へはいるんだ」
 X号は中を指さして命令した。
「先生、ちょっと待ってください」
 山形警部は、出口の方へかけもどろうとした。
「何をする。君は気が変になったのか。あと二分で爆弾が爆発するというのに、どこへ行くつもりだ」
 X号は、目を怒らせて、警部をにらみつけた。
「いや、自分のからだが、冷蔵室においてありますか
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