くれないか」
左手の壁には、小さなスクリーンがあって、その下には五六十個のボタンがついていたのである。戸山少年がためしに、その一つ、17という番号のボタンをおしてみると、スクリーンの上には、設備のよく行きとどいた、手術室の光景がうつしだされた。
「先生、これはなんですか」
「テレビジョンだよ。この航空船の各部屋には、テレビジョンの送信装置がしかけてあって、どの部屋でいまどんなことが起こっているか、すぐこの操縦室に分かるようになっているんだ。それでX号の場所を探してごらん」
少年たちは次から次へとボタンをおした。そして23というボタンをおしたときである。何か複雑な機械の前に坐りこんで、一生けんめいに、ダイアルを廻しているX号の姿が、スクリーンの上にありありとうつしだされたのであった。
「先生、先生、いましたよ。X号の姿がみえました。23という番号のついた部屋です」
戸山少年は、必死になって叫んでいた。
「ああそうか。やっぱりあそこにおったのか――」
博士はほっとため息をついた。
「いったいなんの部屋なんです」
「第二操縦室だよ。万一、この操縦室がだめになったとき、その部屋から操縦ができるように設計しておいたのだが、二カ所で思い思いに機械を動かしては、このロケットも、変になるのもあたりまえだよ」
「それはどうすればよいでしょう」
「ぼくはここで機械を守っているから、君たちは火焔放射器でX号を攻撃してくれたまえ」
「でもX号は、火焔放射器には抵抗できるのでしょう」
「いや、電臓は殺すことはできないが、皮膚にやけどをさせることはできるのだから、X号もある程度は、力を失うことになる。そのあいだに、向こうの操縦装置を破壊して、このロケットを、思うように動かし、負傷させたX号を、この航空船の中にはいっている小型ロケット機に乗せて発射し、それを原子ロケット砲で粉砕《ふんさい》するんだ」
なるほど、それはじつにどうどうたる計画だった。だがX号ともあろうものが、おめおめとその計画にひっかかってくるであろうか。
X号あらわる
だが博士は、大きな声でこのようなことをいいながら、その手は鉛筆をにぎって、このようなことばを紙の上に書きしるしていたのである。
――今の話の内容は、ぜんぶX号に知れたものと思わなければならない。だから諸君がこの部屋を出たら、きっとX号は姿
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