まで歩いていくのだ。運搬用《うんぱんよう》のトラックなんか不用だ。しかしそのかわり、気味がわるいといったらないのだ。
「だんだん化けもの村になるよ。困ったことだ」
「気がいらいらして来てたまらない。昔の村はのんきでよかったね」
 そんな会話が、ひそかに村人のあいだにとりかわされるようになった。
 谷博士の行きすぎたやりかたが、こんなに評判をわるくしたことは明きらかだ。
 だが、当の谷博士は、こんなことを、行きすぎたこととは思っていない。博士は、もっともっとこの三角岳メトロポリスをべんりな世界にしたいと思って、さらにいろいろと研究と工夫を進めているのだった。
 例の五人の少年たちは、その夏、正式に谷博士の研究所で実習《じっしゅう》させてもらうことになった。そして今、研究所で起きふししている。九月の半ばごろまで、実習はつづくはずであった。
 はじめ少年たちが実習をさせてもらいたいと谷博士に申しこんだとき、博士はいい顔をしなかった。その場でことわった。しかし少年たちはあきらめないで、また申しこんだ。そうしてその結果、戸山君たちの望みは、かなえられたのだ。
 この少年たちが三角岳の研究所で寝起《ねお》きするのは、博士から、最新の科学技術の教えを受けるのが目的だった。しかしそのほかに、もっと少年たちが力を入れていることがあった。それは、かねて少年たちが胸の中にひそめていた不審《ふしん》を明きらかにすることだった。その不審とは、読者諸君もごぞんじのように、谷博士の人がらがどうしても気になってしようがないことだった。
 博士は、姉ガ岡病院で、目の療養《りょうよう》をしているころまでは、戸山君たち五少年が、ほんとうに心から親しめる博士だった。ところが、博士がX号に誘拐《ゆうかい》せられて、この研究所へもどって来、そしてその両眼《りょうがん》がはっきり見えるようになって以来、博士はたいへん元気になったけれど五少年には親しみにくいものとなってしまったのだ。
 少年たちは、かたい約束をして、博士の正体をくわしく調べることになった。そして五少年が研究所で探偵みたいなことをしていることは、博士にさとられないように、深い注意を払うことになった。
 少年たちはひそかに博士の日常生活に目を光らせていたのだ。
 あるとき、少年たちは、博士が夜になってすべての扉に厳重《げんじゅう》に鍵をかけこんだのを
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