らねばならぬ。なぜなら、除數の百位の數字が今1と決まつた以上は、この四桁の數字の左端はどんな數字を掛けようが1以外にはなり得ない。
すると八段目左端も1であらねばならぬ。なぜなれば、この八段目は九段目と同一であるからである。
まあこの邊で、原運算を整理して下に示して置かう。但し▲は、8か9かのどつちかだといふことを示す。
▲7□0▲
_________
1□□)□□□□□□□□
1□□□
――――――――
□□□
□□□
―――――――
1□□□
□□□
――――――
1□□□
1□□□
―――――
0
かうしてやつと七八つの穴は解いたが、のこりの穴は三十二ホールだ。前途遼遠の感を深うする。
さて、元氣を出して次に掛る。
二段目の除數の十位の數字は2以下である。つまり2か1か0であらねばならぬ。なぜなれば、五段目左端は7か、或ひは8故(これが6以下では六段目の左端は1とはならず[#「これが6以下では六段目の左端は1とはならず」はママ。五段目は 1□□の7倍だから五段目左端は7以上になります。]、又9であれば0となるから不合理)、除數の十位の數字が2と1と0以外では五段目左端が7或ひは8とならない。
ところが、なほよく檢討すると、それが0では不合理で、2か1かのどつちかに狹ばめられる。なぜなら、それが0では、除數は 10□となるわけだから、これに答の萬位の數字と思はれる8を掛けようが9を掛けようが、共に三桁の數となり、三段目や九段目に示されるやうな四桁の數とはならないからである。
次に、一段目の答の百位の數字は8である。なぜなれば、除數は既に追込まれたとほり、12□か 11□のどつちかである[#「どつちかである」は底本では「どつちかある」]が、それに百位の數字を7と假定して掛けたのでは 84 又は 77 となり、六段目四桁目の 1□□□からそれを引いて、その殘りが八段目の左端の1の如く二桁も下るためには不都合である。これはどうしても8でなければ成立たぬ。
答の百位の數が8だと決まれば、答の萬位の數及び一位の數は共に9でなければならぬ。そのわけは8でさへ三桁である。しかるに萬位
前へ
次へ
全38ページ中13ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
海野 十三 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング