のつよいことをたのんで安心し、まさか若鷹丸の探険隊などがおしかけてくるまいと思って油断していた。
松川隊の五勇士は、思いのほかやすやすと根拠地の中に入った。
「それいまのうちだ。爆破作業を始め」
五勇士はそこでちりちりばらばらになった。
油タンクや、飛行機のあな蔵《ぐら》をみつけては、ダイナマイトを植えていった。時計を見て、時刻をはかると導火線に火をつけた。さあ、あと三分間で爆発する。
そのうち空魔艦二機だけは、そのままにしておいたが、五人の勇士はぞくぞくとその前に集ってきた。
「どうだ、ダイナマイトは、うまくいったか」
「うん、大丈夫だ。いまにたいへんなことになるぞ」
「じゃあこの辺で、空魔艦のタイヤをぶちこわそう。さあ、みんな掛れ!」
一同は手榴弾《てりゅうだん》をふりあげた。
そいつをがーんとなげつけて、さっと身体を氷上にふせた。空魔艦のタイヤのそばには、黒い手榴弾がごろごろあつまってきた。――と思う間もなく、大音響をあげて爆破!
タイヤは破れた。
空魔艦は翼をがくりとゆすぶって、手榴弾のつくった穴の中に、轍《わだち》をすべりこませる。
敵が起きて来たらしく、あ
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