やがて大きな起重機の鉄桁《てつげた》が、にゅっとあらわれた。
そのころ、噴行艇の横腹には、いくつもの大きな出入口がひらき、そこから、足場用の丸太がたくさん、えいさえいさと引張り出された。艇員たちは、おどろくべき早さでもって、その丸太を組み立てていった。
三郎は、手つだうつもりであったが、むしろじゃまあつかいされた。彼はそれが不服であったが、どうも仕方がない。噴行艇の機械についての知識がないから、じゃまあつかいされても仕方がなかった。
三郎のほかにも、じゃまあつかいされて、ふくれている者があった。それは外でもない、彼と同じく給仕をしている木曾九万一《きそくまいち》少年であった。
この木曾少年と三郎とは、岩原のうえをぶらぶらあるいているうちに、ついに行きあった。お互いに妙な形をしているので、行き合っても、しばらくはお互いに、兜《かぶと》の硝子《ガラス》の中をのぞきこんでいたが、ようやくそれとわかって、二人は手をにぎりあった。それから、お互いの触角をふれあわせるのに手間どった。なれないこととて、急にはうまくいかない。
「かざ……三《さ》ぶ……うした」
などと、きれぎれに、木曾少年の
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