っかりしている様子だった。


   皿形の飛空機


 第五斥候隊の隊長だった艇夫長の松下梅造が、その十人の火星人の中の首領と思われる一人を、辻中佐たちのいる司令室に連《つ》れて来た。
「やあ、ご苦労、ご苦労」
 辻艇長は、斥候の労をねぎらった。
「二少年の居所《いどころ》はわかりましたか」
 松下梅造が、聞いた。
「うむ、わかっとる。目下火星へ向って飛んでおる」
 幕僚がそういうと、
「はッ?」
 松下艇夫長は、何だかわけのわからんような、びっくりしたような大きな眼をした。そして、又何か聞きたそうな様子をしたが、
「あっ、ではあの二人の少年が、われわれの飛空機を奪ってしまったのですか」
 火星人の首領がそういったので、黙ってしまった。
「いや、あの二少年が君たちの飛空機を奪ったのではないよ」
 幕僚がいった。
「しかし、私たちがいないのに、飛空機がひとりでに飛出すわけがありませんぞ」
 火星人も、なかなか負けてはいなかった。
「だから、奪ったのではないのだ。元々は君たちが悪い、あの二少年をあんな眼に合わせたので助けに行った者が発見し、あの乗物の出入口を全部閉めたらひとりでに飛出して
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