のようなものを放っている様子を見ると、動物ではない。何か恐るべき科学の力によって仕組まれているものとにらんだ。では、大潜水艦みたいなものか、いやそれにしても、大きさからいって潜水艦どころのさわぎではない。
 三浦は、酋長ロロにたのまれた以上、ここでなんとかしてクイクイの神の力をあらわさなければならないのだ。そこで彼は、あやしい光にむかって大きなこえで、呪文をとなえだした。もしそれを日本人がきいたら、腹をかかえて笑いころげたろう。磯節の文句を調子はずれにどなっていたのだったから。
 すると、まもなく海上を照らしていた火がぱっと消え、ついで海中の光もなくなって、ふたたび闇の世界にかえった。
 丸木舟の上の人たちは、これこそクイクイの神の力できえたものと思い、よろこびの奇声をあげて、クイクイの神をたたえるのであった。
「そら、こげ、今のうちだ!」
 酋長の号令に、丸木舟は、またもや矢のように海上をはしりだした。
 そして東の空がうっすりと白みはじめたころ、ようやくロップ島の岸につくことが出来た。
 ロップ島! この島から、海魔があばれている海魔灘まで、わずかに十キロあまりしかないのである。

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