くかけこんで来た者がある。石少年であった。
「太刀川先生、早く……ほら、もうすぐ海におちる」
「おお、石福海か、ちょ、ちょっと待て」
しかし石少年は、ぐずぐずしていたら死ぬじゃないかという顔色で、太刀川青年の腕をぐんぐんひっぱる。
「よし、わかった。太刀川君、あとは君の天佑をいのるばかりじゃ」
事情を察した原大佐の声が聞えた。
太刀川も、ついにあきらめた。
「では大佐、さようなら。ごきげんよう……」
とたんに、飛行艇は海面にたたきつけられた。太刀川青年は、はずみをくらってあやうく、頭を天井にぶっつけそうになった。
出入口におしあっていた乗客たちは、いいようのない叫声をあげて、われがちに外へ出ようと争っている。海水はあけた扉から、どどどーっとながれこんで、みるみるうちに艇内は水びたしになる。
「ああ、だめだ、先生!」
「心配するな、しっかり僕の手につかまっておれ!」
太刀川青年は、そういって、すばやくステッキの蓋をすると、それを腰にさし、救命具をつけて、一つの窓をたたき破り、石少年とともにするりと艇外へ、くぐりぬけた。がぶりと、大きな波が二人をのみこんだ。
波とたた
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