雨をのりきったか。では操縦長にこうつたえよ。下界が見えるところまで雲の下に出ろとな」
「は、そうつたえます」
「それから針路は、さっき言ったとおり、もとの方向へもどっているだろうなと言え。もう一つ、ガソリンの量を至急しらべて報告してくれ」
「はい」
伝令員の、ひっかえしてゆく足音がきこえた。
「艇長、ケレンコはどうしました」
「ケレンコは、あなたの計画どおり捕らえて、貨物室におしこめてあります」
「本艇は、暴風雨圏からうまくのがれたのですか」
「そうです。もう風雨はしずまっています」
「着陸地点までとべますか。無電連絡はまだつきませんか」
そう言っている時、どこやら、はなれたところで、はげしく人のあらそう声がきこえた。それにまじって、がらがらと物のこわれる音だ。すわ、また事件か?
どたどたとかけこんでくる靴音!
「艇長、たいへんです。ケレンコがにげました」
「なに、ケレンコがにげたって」
「綱をゆるめて、貨物室の窓をやぶって、外へとびだしました」
「え、外へとびだしたか。どっちへ落ちた」
「あ、こっちです。見えます見えます。ほら、あそこへ落ちてゆきます」
艇長ダンは、窓にかじり
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