よびかけられた。
ふりかえってみると、リーロフ大佐の潜水服をきた太刀川が立っている。
「お、お前は無事じゃったか」
「はい。ごらんのとおり、だが、この艇はもうだめです。ただ今、無電をもって、別の艇をよんでおきました」
「ほう、それは手まわしのいいことだ」
とケレンコはうなずき、
「お前のいったとおり、こんな目にあうと知ったら、酒を用意してくるんだったね」
「いや、どうもお気の毒さまで……」
といっているとき、後方から、一隻の大きな潜水艦がやってきた。
それをみて、太刀川は、「おや」と思った。
「これは恐竜型潜水艦じゃないか。快速艇をたのんだつもりだったのに……」
潜水艦は、やがてケレンコたちのすぐそばへきて、とまった。すると艦橋から、大きな声がした。水中超音波の電話で、艦内からよびかけているのだ。
「司令官閣下。おむかえにまいりました。おめでとうございます。恐竜第六十戦隊が、三十数隻のアメリカ艦艇を撃沈して、全艦無事いま凱旋してくるというしらせがありました」
「うむ、そうか。三十数隻では、十分とはいえないが、とにかく恐竜万歳だ。祝杯をあげよう」
「祝いの酒は、本艦内にたくさん
前へ
次へ
全194ページ中156ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
海野 十三 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング