微西といえば、ほとんど真西にちかい。わが日本艦隊がこんなところを、航行しているとは、ちょっと考えられない。とすると、これは演習の想定であろうか。
 無電はなおも早口にしゃべる。
「――コノママワガ戦隊ガ前進ヲツヅケルトキハ十分ノノチ、彼ノ艦隊卜衝突ノホカナシ。故ニワガ針路ヲカエルベキカ、否カ、タダチニ指令ヲタマワリタシ。パパーニン中佐」
 うむ、それじゃ、演習ではないのか。二国の艦隊ははからずも、たいへんなところで、出くわせたものである。
 太刀川の全身は、かーっとあつくなった。
「司令官閣下。どういたしましょう」
「うむ……」
 ケレンコはうなったまま、しばらく考えこんでいたが、やがて決心して、
「対日戦の血祭に、ここでひとつやっつけてやれ!」
 といいはなった。


   おそろしき海戦


 なんという自信であろう。
 ケレンコは、わずか十二隻の恐竜型潜水艦で、約八十隻の潜水艦、約百五十隻の駆逐艦と、戦闘をはじめようというわけだ。
 いや、
 太刀川は、恐竜第六十戦隊の司令パパーニン中佐からの無電を途中からきいたので、
「戦艦八隻、巡洋艦十八隻、航空母艦六隻………」
 というとこ
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