だが、他のもう二つの首は、一たい何者であったろうか。
太刀川青年は、見おぼえがなかったが、一つは、はばのひろい鼻をもった黒人。もう一つは、妙なひげをはやした東洋人の顔であった。
ものおぼえのよい読者諸君には、もうおわかりであろう。
それは、ミンミン島へクイクイの神様を買いにいったロップ島の酋長と、クイクイの神様といっている漂流日本人の三浦須美吉であった。
しかしダン艇長が、なぜその二人の仲間にくわわっていたのか、またこの人たちが、なぜそのような海底の小塔に顔をならべていたのか。それは、いずれこの物語のすすむにつれて、明らかになるであろう。
「おう、誰かとおもったら、なんだ、お前だったか」
とつぜん太刀川のうしろにあたって、ふとい声がひびいた。
不意をうたれて、太刀川は、はっとおもって、うしろをふりかえりざま、水中灯をぱっとさしつけた。
「あ」
いつの間に来たのか、彼のうしろに、大きな水中灯をもって立っていたのは、ほかならぬ海底要塞司令官ケレンコだった。彼の潜水服には、胸のところに、大きな三角形を二つくみあわせたマークがついていた。そしてその下に、「ケレンコ」とロシア文字
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