かった、AマイナスBとAプラスBの積《せき》だ!
級長 蝦原えらい! それでいいんだ。こんどはもう忘れちゃ駄目だよ、ほらキャラメルとチョコレートをやるよ。
蝦原 どうもありがとう(と早速《さっそく》ホオばり、口をもごもごさせながら)ああうまい、ホオペタがおっこちそうだ。
級長 公式を思いだしたら、問題を早く解いてしまいなよ。ほらここだ。AマイナスBがこっちにもあるから、AマイナスBでくくれるじゃないか。
蝦原 ああ本当だ。AマイナスBでくくってあとは、えーと3Aプラス2Bと、AプラスBか、ねえ、これから先、どうするの。
級長 いやんなっちゃうね。それで出来たんだよ、それが答なんだよ。
蝦原 えっこれが答かい、なあんだ。訳はねえや。うふふふ、代数ってなかなか面白いもんだねえ。
級長 あははは、蝦原の奴代数が面白いっていったぞ。あははは。
生徒 代数よりキャラメルの方がうまいだろう。
級長 えっへん、これは誠に由々しき一大事じゃ、勉強組合ばんざいだ。
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生徒大勢、あはははと朗《ほがら》かに笑う。
街の遠くから、出征兵士《しゅっせいへいし》を送る「天
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