。
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隣室の襖ががらりと開く(道夫起き出る)
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道夫 お父さんもお母さんも、やかましくって、僕ねむくなくなっちゃった。久し振りに、レコードでもかけようかな。
母親 これ道夫。
父親 なあに、かけさせておやりよ。お父さんはお前を慰安《いあん》してやろうと思って、そこにレコードを買ってきたよ。
母親 まあ、あなた。一体どんなレコードを買っていらしったの。
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道夫の勉強の邪魔を……。
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父親 まあ、そう心配しなさんな。おれは道夫を喜《よろこ》ばせ、且《か》つ愉快に勉強させてやろうと思って、これを買って来たんだ。これ一名《いちめい》親心《おやごころ》のレコードという。道夫、さあ、かけてごらん。「算術《さんじゅつ》の歌」というラベルの方だよ。
道夫 はい「算術の歌」の方ですね。
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△レコード「算術の歌」賑《にぎや》かに廻《まわ》る。
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底本:「海野十三全集 第7巻 地球要塞」三一書房
1990(平成2)年4月30日第1版第1刷発行
底本の親本:「十八時の音楽浴」ラヂオ科学社
1939(昭和14)年5月5日発行
初出:「家庭コント 新学期行進曲」JOAKラジオドラマ台本
1938(昭和13)年9月30日放送
※「西歴」は底本通りです。
入力:土屋隆
校正:田中哲郎
2005年4月1日作成
青空文庫作成ファイル:
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