か)
 春木少年の推理はするどく、かの姉川五郎の気持をある程度まで、ぴったりあてた。
 困《こま》った。売ったのなら、その売った先をいそいで探さないと手おくれになる。といって、それを聞くには浮浪者が帰ってこないと、聞くわけにいかない。彼はまたもや昨日の失敗がくやまれてくるのだった。
(ぐずぐずしていると、ますます工合《ぐあい》が悪くなる!)
 少年にも、そのことがはっきり分った。
「そうだ。ぼくは、なんというバカ者だったろう。盗まれるなら、あの黄金メダルに彫《ほ》りつけてあった暗号文みたいなものを、べつの紙にうつしとっておけばよかったんだ」
 ああ、そう気がつくのが、おそかった。
 黄金メダルは、もう春木少年の手にはないのだ。まったく注意が足りなかった。人に見せまい、大切に大切にしようと思って、黄金メダルの暗号文もよく見ないで、しまっておいたのだ。
「ハンカチがある。あれにも字が書いてあった。そうだ、あのハンカチも、いつ盗まれるか知れない。今のうちに、文句をうつしておこう」春木は、やっと今になって、本道へもどった。しかし彼は、本道へもどるまでに、二度も大失敗をくりかえしている。
 少年
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