どろぼうから守ってくれると思っていたのに……)
境内《けいだい》の木の根元に、うずめたのが運のつきであった。誰かがさっそく掘りだして持っていってしまった。
(きっと、あの祠に寝起《ねおき》している男にちがいない)
春木少年は、あれからいくどもお稲荷さんの崖《がけ》にのぼって、裏手からそっと祠をのぞいた。だが、いつ見ても、破《やぶ》れござが敷きっぱなしになっているだけで、主人公の姿は見えなかった。
春木は、がっかりしたが、いくどでもくりかえしあそこへいってみる決心だった。
黄金メダルを盗まれたことも、くやしくてならない大事件だったが、それよりも町中にひびきわたった大事件は、牛丸平太郎《うしまるへいたろう》少年がヘリコプターにさらわれたことだった。
なにしろ、そのさらわれ方が、あまりに人もなげな大胆なふるまいで、親たちも近所の者も手のくだしようがなく、あれよあれよと見ている目の前で、ヘリコプターへ吊りあげられ、そのまま空へさらわれてしまったのだ。
警官隊の来ようもおそかった。またたとえ間にあったとしても、やはりどうしようもなかったにちがいない。飛行機を持っていない警官隊は、どう
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