、おしいことをした。……しかし誰がここから掘りだして持っていったのだろうか)
 春木少年は、大がっかりの底から、ようやく気をとり直して立ち上った。
(なんとか取返したいものだ。まだ、絶望するのは早かろう)
 少年は、推理の糸口をつかみ、それからその糸を犯人のところまでたぐっていくために、境内《けいだい》をぶらぶらと歩きだしたが、そのとき生々しい足跡が祠の前からこっちへついているのを発見し、
「これかもしれない」
 と、緊張した。彼は祠の中をのぞきこんだ。
 その結果、彼は姉川五郎の寝室があるのを見つけた。
「ぼくはうっかりしていた。ここにいた男に見られちまったんだよ」くやし涙が、春木少年の頬《ほお》をぬらした。いくらくやんでも諦《あきら》めきれない失敗だった。
 もしや祠の中のどこかに黄金メダルをかくしていないであろうかと思い、彼は祠の中へはいあがって、念入りにしらべた。だが、そんなものはあろうはずがなかった。ただ、彼は祠の破れ穴のところに、絹の焼け布片がひっかかっているのを発見し、声をあげてよろこんだ。
 黄金メダルとこれとの両方を失ったかと思ったが、焼け布片だけでも自分の手にもどっ
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