聳《そび》えている椋《むく》の木の根方を、ありあわせの石のかけらで急いで掘った。
しばらくして、彼が手をとめると、根方には穴が掘れていた。春木少年はポケットをさぐって、黄金メダルと絹《きぬ》ハンカチの燃えのこりをだした。それからそれを鼻紙に包んだ。その包を、穴の中に入れた。それから、土をどんどんかぶせた。そして一番上に弁当箱ほどの丸い石を置き、それからまわりを固く踏みかためた。
「まあ、一時こうしておこう。でないと、牛丸君の家の前までいったとき、もしも悪者が残っていて、ぼくをつかまえでもしたら、大切な宝ものをとられてしまうからなあ」
春木少年は、どこまでも用心ぶかかった。
そうなのである。油断はならないのだ。さっきヘリコプターが牛丸君をつりあげ、そして仲間をひっぱりあげて空へ舞いあがっていったが、あのとき河原に一人だけ残っている者があったではないか。それは誰であるか分らなかったけれど、もちろん悪者の仲間にちがいない。彼はそれからどこへいったか見えなくなってしまったが、いつひょっくり姿を現わすかしれないのだ。あんがい近所の塀のかげにかくれて、牛丸君の家の様子を監視しているのかもしれ
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