。担架をかついだ一隊が、停ったエレベーターからぞろぞろとでてくるのが見えた。
その中に、ひとりいやに背の高い人物が交《まじ》っていた。首が長くて、ほんとに鶴《つる》のようである。顔は凸凹《でこぼこ》がはげしくて岩を見るようで、鼻が三角錐《さんかくすい》のようにとがって前へとびだしている。もうひとつとびだしているのは、太い眉毛《まゆげ》の下の大きな両眼だ。鼻の下には、うすい髭《ひげ》がはえている。かますの乾物のように、やせ細っている彼。そして背広の上に、まっ白の上っぱりを長々と着て、大股《おおまた》ですたすたとやって来、ものもいわずにヘリコプターの上へ登ってはいった。
彼は、すぐでてきた。そして木戸の前に立って、ものいいたげに相手を見下ろした。
「どうだね、机《つくえ》博士」木戸は、さいそくするように、机博士の小さく見える顔を仰いだ。
「ふむ、頭目の幸運てえものさ。このおれ以外の如何《いか》なる名医にかけても、あの怪我人《けがにん》はあと一時間と生命がもたないね」
机博士は、表情のない顔で、自信のあることばをいい切った。
「ほう、助かるか」木戸は顔を赤くした。
「ではすぐ手当をして
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