は、その後、杳《よう》として消息がわからなかったが、首領を失ったかれに何ができよう。その後、紀伊《きい》半島の沖合《おきあい》に、ヘリコプターの破片らしいものがうかんでいるのを見たものがあるというが、あるいはそれが、波立二の最後を物語っているのではあるまいか。
 ヘクザ館から発見された宝石や古代金貨の噂《うわさ》は、たちまち全世界に喧伝《けんでん》された。それはいまの金に換算《かんさん》すると、零《れい》という字を、いくつつけてよいかわからぬほど、莫大《ばくだい》なものになろうという。
 それらの財宝は、すべて、日本の教育復興のために使用されることになり、戸倉老人や少年探偵団、さてはまた、秋吉警部たちは、それから一銭の利益《りえき》も得《う》ることはなかった。
 それにもかかわらず、いや、それだからこそ、戸倉老人も、少年探偵団の同志たちも幸福だった。
 戸倉老人はその後、海岸通《かいがんどお》りの店を売りはらって、思いでの淡路島《あわじしま》を眼のまえに見る、明石《あかし》の丘に一軒の家を建てた。そして、いまでは草花を作りながら、静かに余生を送っている。その戸倉老人の何よりの楽しみは、
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