える、聞える、降りしきる雨の音にまじって、ブーンブーンとヘリコプターの唸《うな》り声。しかも、その音が、またたくまにヘクザ館の上空へちかづいてきたかと思うと、やがて、さっと上から探照灯《たんしょうとう》の光が降ってきた。
「あっ、しまった。ヘクザ館のありかを探しているのだ」
 戸倉老人が叫んだとき、ダダダダダと物凄《ものすご》い音を立てて、機関銃がうなりだした。ヘリコプターのうえからヘクザ館の周囲にむかって、機関銃の雨を降らせているのである。
「危い。みんな、物陰《ものかげ》にかくれろ」
 一行七人、蜘蛛《くも》の巣《す》を散らすがごとく、四方の壁にちると、カーテンのうしろに身をかくした。
 ダダダダダダダダダダ!
 機関銃のうなりはひとしきりつづいて、ヘクザ館の周囲の森に、弾丸が雨霰《あめあられ》と降ってくる。

   大団円《だいだんえん》

 やがて、機銃のうなりがピッタリやむと、ヘリコプターはヘクザ館の上空に停止したらしく、ブーンブーンといううなり声が、同じ方向から落ちてくる。
 ああ、わかった。わかった、四馬剣尺《しばけんじゃく》は今夜、空からヘクザ館を襲撃しようとするのだ。
前へ 次へ
全242ページ中233ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
海野 十三 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング