ひとたちが、ヘクザ館の内部を参観《さんかん》したいとおっしゃる。おまえ御苦労《ごくろう》でも、案内してあげなさい」
「は、承知《しょうち》しました」
 長年日本に住みなれているだけあって、ヘクザ館に住む僧侶たちは、みんな日本語が上手であった。
「では、皆さん、私についておいで下さい」
「いや、どうも有難うございます」
 むろん、この中学生の一行というのは、戸倉老人に秋吉警部、それから少年探偵団の同志五人である。みんなてんでに、スケッチブックやカメラなどをたずさえているが、かれらの真の目的が、写生や撮影にあるのではなく、館内の様子《ようす》偵察《ていさつ》にあることはいうまでもない。
 古びて、ぼろぼろに朽《く》ち果《は》てた館内をひととおり見終ると、やがて若い僧侶ロザリオは、一行をヘクザの塔に案内した。この塔こそはヘクザ館の名物で、山岳地帯にそびえる古塔は、森林のなかに屹立《きつりつ》して、十里四方から望見《ぼうけん》されるという。
「おお、なるほど、これはよい見晴《みはら》しですな」
 塔のてっぺんにのぼったとき、老教授に扮《ふん》した戸倉老人は、眼下を見下ろし、思わず感嘆《かんたん
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