戸倉老人の口から過ぎこしかたの冒険談をきくことを、このうえもなくよろこんだ。
アフリカの猛獣狩《もうじゅうが》り、熱帯での鰐退治《わにたいじ》、サワラ砂漠の砂嵐《すなあらし》、さてはまた、嵐に遭遇して、無人島へ吹きよせられた難破船《なんぱせん》の話など、戸倉老人の口から綿々として語りつがれるとき、少年たちはどんなに血を湧《わ》かせ、肉を躍《おど》らせたことだろう。少年たちは、いつの日にか、自分たちも、そういう冒険談の主人公になってみたいと夢想するのだった。
ああ、戸倉老人が平和を愛し、少年たちが、冒険に憧《あこが》れる、そこにこそ、人生の本当のすがたがあり、世界の進歩も、それなくしては得られないのだ。
それはさておき、今日も今日とて、見舞いにきてくれた五少年をあつめて、戸倉老人が楽しそうに昔の思い出を語っているところへ、やってきたのが秋吉警部。
「やあ、相変らず、みんなきてるな」
「ああ、警部さん、今日は」
「警部さん、今日は」
少年探偵団の同志五人が、帽子をとって、警部ににこにこ挨拶《あいさつ》をするのを、戸倉老人は眼を細めて眺めながら、
「警部さん、聞いて下さい。この子たち
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