答《おしもんどう》をする声がつづいていたが、やがて、猫女のピストルに脅迫《きょうはく》されて、チャンウーは奥の一間へ入っていった。それにつづいて猫女が入っていくと、バタンとドアのしまる音。話声はそれきり聞えなくなって、チャンウーの店は墓場のような暗さ、静けさ。
 春木、牛丸の二少年は、ほおっと顔を見合せた。
「春木君、猫女て、すごいやつやな」春木少年はそれに答えず、しばらくは何か考えていたが、やがて低い声で、
「ねえ、牛丸君、いまの猫女の声ね、君、あれに聞きおぼえがあるような気がしなかった?」
「えっ、さあ、ぼくは気がつかなんだが、誰の声に似ていたんやね」
「いや、君が気がつかなかったとすれば、ぼくの思いちがいだろう。だけど牛丸君、さっきの小男はどうしたんだろうねえ」
「さあ。あいつも奥へ入っていったんやないやろか」
 二人がそんなことを囁《ささや》いているとき、奥の部屋から苦しそうなうめき声がもれてきた。チャンウーの声なのだ。しかも、世にも苦しそうなうめき声……。
 春木、牛丸の二少年は、ぎょっとしたような顔を見合せた。
「春木君、大変や、チャンウーが拷問されてるんやないやろか」

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