よ」
「そうや、そうや。ぼく、ひとつあの屋根へおりてみようか」
牛丸平太郎が、ハリキって、窓からからだを乗りだすのを、春木少年はおしとどめ、
「いや、ちょっと待ちたまえ。もう、しばらく、あたりが暗くなるまで待とう」
それから一時間ほど待つと、あたりはすっかり暗くなった。チャンウーの店の天窓からは、あいかわらず、ほのぐらい光がもれている。
「春木君、もう、そろそろ、ええやないか」牛丸平太郎は、さっきから、腕がムズムズしているのである。
「そう。もうそろそろいい時刻だね。ところで、誰が偵察にいくか、これは公平を期《き》してくじ引きということにしよう。ひとりじゃ心細いから二人一組となっていくことにしようじゃないか」
春木少年のこさえた、五本のこよりを引いた結果、牛丸少年と春木君がいくことになった。ほかの少年たちは失望したが、これまた、あとでどんな役があるかも知れないからと慰めて、いよいよ、春木、牛丸の二少年が、偵察にいくことになった。
ちょうどいいあんばいに、このビルディングの側面《そくめん》には、火事などの場合にそなえて、非常梯子《ひじょうばしご》がついている。その非常梯子は、チャ
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