下《あしもと》もさだまらぬ机博士を、荒くれ男が左右から、ひったてるようにして、やってきたのは首領《かしら》の待っている特別室。
首領の四馬剣尺《しばけんじゃく》は、あいかわらず竜《りゅう》の彫物《ほりもの》のある、大きな椅子に坐っていた。身のたけ六尺にちかく、ビール樽《だる》のように肥《ふと》ったからだは横綱《よこづな》もはだしで逃げだしそうな体格だ。顔は例によって、三重のヴェールによってつつまれているが、そのヴェールがブルブルとふるえているところを見ても、いかに首領がおこっているかわかるだろう。
土色になって、コンニャクのようにブルブルふるえている机博士は、首領のまえの椅子にひきすえられた。
「机博士」首領四馬剣尺の声は、つめたく、落着きはらっていた。これは首領のいかりが、いかに大きいかという証拠なのだ。四馬剣尺はいかりが大きければ大きいほど、つめたく落着きはらうのである。
「おまえは昨夜、このわたしにどのような無礼をはたらいたか、よくおぼえていような」
「首領、お許しを……」
「黙れ!」
首領は大喝《だいかつ》した。からだがいかりでブルブルふるえた。
「獅子身中《しししんちゅ
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